第7の寄港地、ライアテア
2012.05.30
「今まで見た中で一番綺麗な海はどこだった」と聞かれたとき、迷わずにライアテアと答えています。4年ほど前にライアテア島に来た時のことです。水上バンガローで朝目覚めると、ベランダの外には紙吹雪のような色鮮やかな魚たちが自由に泳ぎ、朝食を持ったカヤックが近くを滑るようにして通り過ぎて行きました。
“海の上”というより”空の上”に来てしまったかと思うようなラグーン。青でも緑でもない、あまりにも透明な水はそこにあるのか無いのか見間違えるほどに海底を透き通って見せてくれました。魚もカヤックもただ海底に影を落として、まるで空を飛んでいるような錯覚を感じました。
ライアテア。そこは決して有名なリゾート地ではありません。それでもタヒチ発祥の地とも言われる純粋無垢な美しさがあります。私たちが忘れていた人間本来の生命を感じることが出来るのではないか、と密かな期待を抱いている寄港地ににっぽん丸は辿り着きました。
写真・文 : 中村風詩人