写真家中村風詩人メインショー『ひとつの海と』
2011.07.04
今夜のメインショーは、クルーズレポートを担当している中村風詩人さんご自身による講演会『ひとつの海と』。
中村風詩人さんは、船内ではずっと「ブログの中村くん」として親しまれてきました。
しかし、本日はライターではなくひとりの写真家として皆様にお話しをさせて頂きたいということで、
急きょ本日のクルーズレポートを代筆させて頂くことになりました。
私はにっぽん丸専属写真師の小倉弘道と申します。
「まずはお写真をお撮りしたいと思います。サン、ニ、イチ!」
最初、静まり返っていた場内が、中村風詩人さんの一声でドッと笑いに包まれました。
これまでに撮影してきた写真のスライドショーを交えながら、
撮影現場での苦労話や、楽しかった思い出、10年近い写真家としての
キャリアのなかで経験してきた様々なエピソードが語られます。
興味深いのは、これまでの人生でもっとも幸福だった15秒間の撮影のお話、
そして「本当に良い写真とは何か」というお話です。
15秒間の撮影では、ハッセルブラッドを手にした中村風詩人さんがシャッターを切ると同時に、
ホールの照明が全て消され完全な暗闇に包まれると、今まで誰も体験していない静寂の15秒間が訪れました。
「本当に良い写真とは何か」という講演では、良い写真や撮影方法などではなく、
ひとつの事を続けることは大切であったり、楽しむ事の秘訣であったり、写真以上のものが胸に伝わってきました。
講演の最後の挨拶を終えると、満員だった会場からはスタンディングオベーションが起こりました。
お見送りで出口に立った中村風詩人さんの周りには、握手や記念写真を求める方たちが人だかりになります。
これまで2ヶ月半ご一緒してきた家族のような存在、笑顔の中村さんは涙を堪えてるようにも見えました。
さて、明日からの2日間、中村さんがにっぽん丸で撮影した作品の写真展が
開催されるそうです。たのしみにしています!
写真:竹井洋子・中村風詩人・小林美花 文:小倉弘道