クルーズレポート

月と太陽とハーモニカ

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.16

月と太陽うみ(海は広いな)
作詞:小林柳波
作曲:井上武士

うみは ひろいな おおきいな
つきが のぼるし ひがしずむ
うみは おおなみ あおいなみ
ゆれて どこまで つづくやら

皆様もきっと一度は聞いたことのある歌だと思います。
1941年に作られてから、今なお多くの人に愛されている名曲。
この「うみ」を、にっぽん丸で行われているハーモニカ教室で
練習曲として使用させて頂いています。

その教室の先生から「この曲を写真に写せないか」と
リクエストを頂き撮影したのが先の一枚です。
「太陽が沈む時に、月が昇っていて、青く広い海に波がたっている」
という状況を毎日の夕日に待っていたのですが、
なかなかその瞬間は訪れませんでした。

インド洋に出てからというもの、月が昇る時間は毎晩午前1時〜3時頃。
モーリシャスを出てからは、午後20時頃にあがるのですが、
今度は太陽と反対の方向にあがるため同時に写すことが叶いませんでした。

来る5月8日に見た夕日のことです。
「太陽が沈む時に、月が昇っていて、青く広い海に波がたっている」
そんな瞬間を、やっと目の前にすることが出来ました。

夕日のハーモニカ教室本日は7階スポーツデッキで「夕日を見ながらハーモニカを吹こう」
という何とも風情のある企画が開催されました。
ハーモニカをお持ちでない方も夕日を見ながら音楽を口ずさみにいらっしゃいます。

うみは ひろいな おおきいな
つきが のぼるし ひがしずむ
うみは おおなみ あおいなみ
ゆれて どこまで つづくやら

波の音、心地よい風、ハーモニカの音色もいつも以上に優しい響きに聞こえます。
スポーツデッキが穏やかな音色に包まれましたひとときでした。

写真・文 : 中村風詩人

PORT&STARBORD、キャプテンズトーク!

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.15

講演風景「飛行機を右側から降りたことがある人はいますか。」

番留船長からの突然の質問に、会場全員が首を横に振ります。
なぜか話題にあがった飛行機のシステム、今までは深く考えませんでしたが
確かに、いつも左側から乗り降り降りをしているような気がします。

「この習慣は、実は船に習って決められました。」

現在でも船は右側通行と決まっているそうです。
向かい合う船がすれ違うにあたり衝突の恐れがある場合は、右側に避けるという決まり。
これは昔の船、あるいは現在でもヴァイキング船やヴェネツィアのゴンドラなどは、
舵を船の中央に置くことが出来ず、右側で舵をとっていた事に由来しているそうです。

エレベーターの床その利便性から、右側は舵を取る側、左側は着岸させる乗降側と決まったようです。
船の用語では、この右側を「STARBORD」、左側を「PORT」と、それぞれ呼んでいます。
そこで、思い出すのが船内新聞や船内エレベータに書かれた「STARBORD」や「PORT」の言葉。
この言葉の意味は、実は「船の舵と港の着岸」その両方を表していたのですね。

船長とジョイスティックちょうど一ヶ月前、横浜を出港した際の一枚ですが、
番留船長が船の左側に位置する場所でジョイスティックを操作しています。
にっぽん丸の舵は船の中央に位置して作られていますが、
なんだか昔の習慣を思わせるような1シーンに思えました。

さて、少し話が脱線してしまいました。
キャプテンズトークは番留船長が船や海、あるいは船乗りに纏わる諸々を話してくれる講演会です。
お昼後の眠気に誘われる時間に、皆さんとても真剣に耳を傾けてらっしゃいました。
番留船長、興味深いお話をありがとうございました!

写真・文 : 中村風詩人

第2回カクテルパーティー

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.14

にっぽん丸には、フィリピン人のクルーが多く乗船しています。
現地の専門施設でホテルマン、ホテルレディとしてのマナー、
あるいは、機関工や整備士としての専門知識を身につけた彼ら。
今回はそんなフィリピンクルー達が考案したカクテルを皆様に振る舞いました。

カクテルの名は「サラコット(salakot)」と申します。
ブルー・ムーンを思わせる神秘的なバイオレットカラー。
ウォッカベースながらシェークされたマリブが甘さを誘い
女性にも飲みやすいテイストに仕上げてあります。

メインステージの演奏もフィリピンより”リン&ジョン”が担当。
船上の生演奏と共に味わうカクテル、考えただけでロマンティックですね。
こうしてまた、にっぽん丸の一夜が更けていきます。

写真・文 : 中村風詩人

世界一周クルーズ洋上運動会!

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.13

「我々は、世界一周クルーズ洋上運動会において、
にっぽん丸シップにのっとり、多少のミスなど気にせず、
正々堂々、ニッコリと戦うことを誓います。」

本格的ながら和やかな宣誓に始まった洋上運動会。
外気温20余度、珍しく日差しの弱い薄曇り日です。
運動会のための最高の条件が揃っている気候に恵まれました。

14人が1チームとなった、合計4色での対抗運動会です。
種目はボールリレーやパン食い競争、運びものリレーなど数々あります。
途中にエキシビションとしてスタッフの大縄跳びも披露されました。

早いもので最終種目のチーム対抗「玉入れ」となりました。
30数個の玉を入れた後に、大きなゴムボールを入れて勝利です。
このゴムボールがなかなか入らず、各チーム苦戦しながら盛り上がりました。

動いている船の甲板ということもあり、絶え間なく風が吹いています。
その風に遊ばれるようにゴムボールがカゴを避けてしまうのです。
時には後攻チームが逆転勝利を見せた回もありました。

勝利の女神は「黄色チーム」に微笑みました。
チームリーダーもトロフィーを持って得意なご様子。
皆様お一人ずつにも賞品の「にっぽん丸ボールペン」が進呈されています。

この写真ではわかりにくいかもしれませんが、
よく見ると、皆様お一つずつボールペンを掲げて頂いています。
黄色チームの皆様、本日はおめでとうございました。
また他のチームの方々もお疲れ様でした!

写真・文 : 中村風詩人

幸福の船出。グリーンフラッシュ!

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.12

グリーンフラッシュ一枚目「グリーンフラッシュを見た年は幸せになれる」
船内で起きたそのざわめきは、瞬く間に乗客全員に広がりました。
インド洋上は、グリーンフラッシュを見れる確率が高いと、
番留船長からの情報もあり、皆様夕日を楽しみにする毎日が続きました。

アナウンスで集まった人たちついに「今日はグリーンフラッシュが見えそうです」と、
操舵室からアナウンスまで流されると、一斉に皆様がデッキに集まりました。
4階デッキはもちろん。7階のラウンジ前などもギャラリーが埋め尽くしています。

アナウンスが流れたその日、確かにグリーンフラッシュを見ることができました。
ピカッと一瞬、確かに緑色の太陽が水平線に顔を出します。

グリーンフラッシュ2ところで、グリーンフラッシュって何?という方も大勢いるかと思います。
疑問を持たれている方に代わって、その現象を少し調べてみました。

今回のグリーンフラッシュは、日没時に撮影したものですが、
日の出の際にも見ることができ、別名は「緑閃光」とも言われています。
発生条件が厳しく、空気が澄んでいること、地平線か水平線での日没か日の出であること、
また他の気象条件にも左右されるそうで、やはり見れる確率はそれほど高くないようです。

日本で最も観測が報告されているのは、小笠原諸島の父島とのこと、
世界的にはハワイやグアムなどでの観測例が比較的多いようですが、
それでも高い山や離島、あるいは洋上から観測をしなくてはならず、
見るためには、やはり相当の努力が必要になりそうです。

green flash 2「写真家さん、どうせパソコンで描いとるんでしょう!」
実は出来心で・・・というのは冗談。本当に描いてませんよ!

「わしが昔に見たのは、もっとこう、大きかったんよ」
調べてみると、場所や環境によって色の濃さ、形が変わるのだそうです。
最も大きく見えるのはロシアの砂漠だとか。

インド洋上で見られるものは、大きさはそれほどでもないものの、
見られる確率は、他の場所に比べてわりと高いとのことです。
毎年のようにクルーズに乗ってらっしゃるお客様いわく、
「100日間で2回見られたら良い方だ」とおっしゃっていました。

今航では、もう既に3回見ているので、幸運な航海かもしれません。

写真・文 : 中村風詩人

デュアリスメインショー”ニュークラシックコンサート”

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.11

デッキスタジオDualis(デュアリス)
橋本朗子(ソプラノ,piano)
服部恵(ヴィブラフォン、パーカッション、piano)
千葉清加(violin)

にっぽん丸の国内クルーズや、短期海外クルーズなど
たびたび乗船頂いているエンターテイナーと言えばデュアリス。
今航海ではシンガポールから南アフリカまでご乗船頂きました。

その実力は定評があり、スタッフ内でも乗船前から楽しみにしていた者がいるほど。
基本的にはクラシックの演奏なのですが、橋本朗子さんのソプラノが入ったり、
服部恵さんのパーカッションが入ったりと、新しい音楽を取り入れたニュークラシックの装いが魅力です。

三人「聴いてください、情熱のタンゴ」
時に優しく穏やかに、時に激しく情熱的に。
瞬く間に変わる曲調は会場の雰囲気を一瞬にして違うものに変えてしまいます。

ピアノとヴァイオリンに、見事にシンバルや太鼓のパーカッションが調和していました。
撮影するのを一瞬忘れてしまうかのような、聞く人を取り込む音楽。
このときドルフィンホールには、確かに心地よい時間が流れていました。

コンサート風景鳴り止まない拍手に応えてアンコールの一曲が演奏されます。
幕が下りてからも、なお続く大きな拍手。本当に素晴らしい演奏でした。
デュアリスさん、本当にありがとうございました!

ちなみにデュアリスとは、もともと「二つの性質を持つ」という意味で
「本物のクラシックと、エンターテイメントとしてのクラシックを共存させたい」
と言った、メッセージが込められて名付けられたそうです。

写真・文 : 中村風詩人

オレンジナイト!

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.10

オレンジナイト全員集合今航海では「テーマナイト」と呼んでいるイベントがあります。
こちらでも記事にした”アジアンナイト”に始まり、
他にも仮装ナイト、ハワイアンナイトなど様々なテーマナイトが予定されています。

先日は「オレンジナイト」でした!
オレンジはにっぽん丸の煙突の色。
メインエントランスがオレンジ色に化粧をしています。
18時を過ぎた頃、会場は人足しげく熱気を帯びてきました。

オレンジ色のドレス、スーツ、メガネや帽子、靴、着ぐるみ・・・
中にはモーリシャスでオレンジ色のワンピースを購入した方もいました。
いつの間にか、2階ロビーはオレンジ一色に染まっています。

ディナータイムとなりお客様はダイニングへ移動していきます。
オレンジナイト第一弾が終了し、スタッフ一同で記念撮影。
さて、私たちはこれからメインショーの準備に取りかかります。

ダンスタイムオレンジナイト第二弾は、ソシアルダンスタイム。
普段はシックな装いの方が多い中、皆様本日はオレンジです!
明るい色のせいか、ブルースやワルツよりも、チャチャチャやタンゴが合う気がしますね。
生演奏のリンさん、ありがとうございました!

ディスコタイムオレンジナイト第三弾は、ディスコタイム!
なんでもリピーターの方は、この時間が一番楽しみなんだとか。

60年代の音楽に乗せて体を揺らします。
先ほどまでソシアルダンスを美しく踊ってらっしゃった方が
今は激しく体を前後に振っています。素晴らしい!
そのマルチな対応力に、今日も勉強をさせて頂きました。

今頃デッキからは、昇るオレンジ色の月が見えることでしょう。
こうしてまたにっぽん丸の熱い一夜が過ぎていきます。

写真・文 : 中村風詩人

ケープペンギンの浜辺、ボルダーズビーチ!

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.09

penguin 世界に18種類いるうちのひとつ“ケープペンギン”。
アフリカンペンギンとも呼ばれ、アフリカのお土産キャラクターとしても親しまれています。
そのコロニーがあるのがサイモンズタウンという街の南東、ボルダーズビーチです。

あまりの可愛さに、到着するなり一同興奮状態。
動物園で見るペンギンとは、やはりひと味もふた味も違います。
自由気ままに浜辺をウロウロ、お腹のゴマ塩がポイントです。

tawashi私たちはこの動物を「タワシ」と名付けました。
意外に堅そうな毛、まるまるした体、それはもう「タワシ」そのものでした。
でも本当に可愛い生き物でした。

本当の名前は「Dassie」(ダジィ?)というそうで、
もともとはアフリカゾウが祖先らしく、変わった進化を遂げたようです。
大きさは猫くらい、人見知りで近づくと素早く動いていなくなってしまいます。

penguin「中村さん、今日は何してたの?」とお客様に尋ねられたので、
「ペンギンを見てきました!」と元気に応えましたところ、
「ボルダーズビーチでしょ、500羽くらいいるわよね!」
と、謎の回答を頂きました。

本日は1枚目の写真からもわかる通り最高でも5羽くらいしかいなかったような。
何でもこのお客様がボルダーズビーチに行ったのは3年前だそう。
この3年間で何があったのだ!?と、今夜は解けない疑問に頭を抱えることになりそうです。

写真・文 : 中村風詩人

テーブルマウンテンとカーステンボッシュ植物園

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.08

眼下に広がる町並み今回は初めてツアーに同行させて頂きました。
半日のツアーで参加人数は30数名、バス一台をゆったり使うことが出来る人数です。
訪れる二カ所は、両方とも世界遺産。皆様も期待に胸をふくらませているご様子でした。

テーブルマウンテン頂上へは、ロープウェイの麓駅から約5分。
このロープウェイは乗車中に床が回転して360度を見ることが出来るという優れもの。
床が回り始めると、オォーという歓声があがります。中にはなぜか回転に逆らって歩いてる人も・・・。
海抜1000メートル、地上よりも6度低い世界へと参ります。

廣岡先生とシティテーブルマウンテンでは綺麗な青空のもと、贅沢なパノラマが広がっていました。
切り立った崖、なぜか平らな山頂、見渡す限りの街と海。世界遺産になる訳がわかります。
今回はツアーに同行していた廣岡先生にご出演を頼みつつ、指さす先にはカフェがあります。

植物園一行は第二の目的地、カーステンボッシュ植物園へと参ります。
こちらも世界遺産に認定されており、約9000種の植物が見られるとあって胸が高鳴ります。
出来る限り自然に近い形を残しているのが魅力で、歩いていると大きな森に入ったような心地よさがあります。

ツアー風景様々な植物も面白かったですが、何より晴天の青空のもと、綺麗な空気を吸えただけで、とてもリラックスできました!
今回のツアー同行は清水智香子さんと、スタッフの杉浦祐子さんでした。
とても楽しい時間をありがとうございました!

写真・文 : 中村風詩人

第三の寄港地ケープタウン入港!

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.07

もやのにっぽん丸5月5日午前7時、にっぽん丸は喜望峰を通過しました。
これまでのインド洋を終え、航海は大西洋へと入ります。

アフリカ寄りのインド洋は、とても荒れる事が多いそうですが、
今航では大きく揺れることなくとてもスムーズに航海をしてきました。
とりわけモーリシャスを出航してからは、西向きの海流に乗ることができ、
燃料と時間を大きく節約しながら航行が出来たと番留船長も満足のご様子です。
その甲斐もあって到着時間が早まり、予定よりも1日前倒す事が出来ました。

5月5日12時、にっぽん丸は、第三の寄港地ケープタウンウォーターフロントへと着岸いたしました!
これより1日の停泊を経て、6日の18時に出港予定です。

観覧車から望むにっぽん丸にっぽん丸が停泊をしているのはビクトリア&アルフレッド・ウォーターフロントと呼ばれる
地元でも人気のショッピングモールやレストランが立ち並ぶ、ベイリエリア。
なんとここには観覧車もあり、私たちも早速乗ってみました。

乗車金額は一人80ランド。
南アフリカの通貨1ランドが、だいたい12円程度なので、
1000円ぐらいの換算でしょうか。あまり日本と物価が変わらないですね。

オットセイとにっぽん丸停泊場所のすぐ目の前にいました、オットセイ!
にっぽん丸から見られて、観光船から見られて、記念撮影と大人気。
正確にはミナミアフリカオットセイという種類で、全土で約85万頭もいるそうです。

ちなみに南アフリカではオットセイの他、
クジラ、シャチ、イルカ、ペンギンなど様々な海洋生物を見ることができます。
入港の前日にもケープタウンの沖合でクジラとイルカを見ることが出来ました。

これから停泊の二日間、皆様はどんな動物に出会えるのでしょうか。
南アフリカケープタウン滞在の始まりです!

写真・文 : 中村風詩人