クルーズレポート

山形由美フルートコンサート

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.25

演奏風景performer
山形由美(フルート)
芦川真理子(ピアノ)

本日のメインショーは、山形由美フルートコンサートです。
山形由美さんは、1986年のデビュー以来、ソロ公演、オーケストラ共演などを重ね、
現在、名実ともに日本を代表するフルーティストとして活躍されています。

今航でパートナーをつとめる芦川真理子さんは、
ドイツ在住のピアニストとして精力的に活動中。
今回もドイツからラスパルマスの方に直接お越し頂きご乗船となりました。

フルーティスト山形由美今回のメインショーでは山形由美さん思い出の一曲”ヴェニスの愛”をご披露くださいました。
5年前に、ご自身でCDの企画自体をプロデュースされたそう。
何でもイタリアの教会で演奏会を行い、その場で収録し、発売に至った音楽とのことです。
(作曲家:マルチェッロ)

「思い出すと今でもヴェニスの風景が鮮やかによみがえります。」
当時を振り返りながら山形由美さんが語る思い。
水の都で生まれた曲を、水の上で奏でて頂くのはなんとも贅沢ですね。

今回のメインショーも、演奏中は教会さながらの荘厳な雰囲気に包まれます。
その後、クラシックの名曲やフルートの代表的なレパートリーを続けて演奏頂きました。

山形さんと芦川さん2回目のメインショーにご出演いただいた日には、
にっぽん丸は大西洋から地中海へと入って参りました。
穏やかなうねりでわずかに揺れる船内、ここドルフィンホールでも小さな波の動きを感じます。

暗くシックにまとめられた照明が醸すムーディなひととき。
聞こえてくるフルートの繊細で透き通った音色、柔らかいピアノの旋律。
揺りかごで聞いた子守歌を思い出すように耳を澄まします。

ヨーロッパの夕暮れは遅く、今日はメインショーの終わりと共にあたりが暗くなりました。
「演奏終了後に見えたシチリアの街の灯が心に残りました」と語るお二人。
おかげさまで今夜は、本当に良い眠りに誘われる気がします。
山形由美さん、芦川真理子さん、ありがとうございました!

写真・文 : 中村風詩人

アテネといえば、アクロポリス遺跡

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.24

パルテノン遠景「遺跡」というと歴史ある建物の跡地ですが、
ひとえに言っても、そこには神殿、劇場、音楽堂など様々なものがあります。
今回訪れたアクロポリスは「高い丘の上の都市」という意味で、
この丘のうえ一帯が大きな都市だったことを思わせる所が随所にありました。

パルテノン近景玄関に位置するブーレの門は3世紀に建てられた防衛線、
まもなく見えてくるプロピレアは、絵画や奉納品を保管していた保管庫、
そしてその先にあるのがお待ちかねのパルテノン神殿です。

ここは古代アテネの栄光を象徴している神殿で、歴史は古く2500年を数えます。
それでも建築素材の大理石に冷厳な感じはなく、どこか暖かみさえあるのは数多の人々が信仰してきたからでしょうか。
当時から芸術も盛んで、彫刻像やレリーフは至る所に施されていおり、
神殿全体がひとつの芸術作品として鎮座しているようでした。

リカヴィトスへの階段パルテノン神殿を見下ろす高台に位置するのは、アテネのシンボルとも言えるリカヴィトスの丘です。
そこから数百段はある石段を少しずつ下ってゆくのですが、初夏の香り漂う小道は歩いていても疲れを感じません。
こうして歩いてみると、アテネは歴史を持ちながらも近代建築と自然が調和しているとても住みやすそうな街でした。

写真・文 : 中村風詩人

第5の寄港地、ピレウス!

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.23

にっぽん丸ピレウス港にてラスパルマスから6日間の航海を終え、ピレウスへと参りました。
久しぶりに陸地が見えると、胸の中で小さな安心感を覚えます。
周りに何も見えないほどの大海原は、雄大な自由を謳歌できますが、
他にも人が生活し、街の光があることを時々確認したくなるのです。

大量のスーツケースと、落ち着いたのも束の間。出迎えてくれたのはスーツケースの山。
ピレウスはギリシアの首都アテネから車で20分程度の港街。
にっぽん丸のような国際船が寄港するように、ギリシア第一の海の玄関口として有名なのです。

エーゲ海クルーズや、近郊島への高速船、有名なミコノス島やサントリーニ島へのアクセスも全てまかなうほど。
外国航路も多く、私も以前この港からイタリアのアンコーナ港までクルージングをしたことがあります。
それにしてもこれほどスーツケースがありながら間違えがないとは、ピレウス港は中々あなどれません。

大量の船と、今度は海側に向き直ると、目に入ってきたのは船の山。
今まではほとんどすれ違う船さえ少なかったのですが・・・。
これほど航行しているところを次に目にするのはいつになるでしょうか。

本日はオーバーランドツアーに行かれたお客様がご無事に帰船し、
区間乗船のお客様、新しいスタッフもお迎えして、船内がいっそう賑やかになりました。
これから寄港地が続きますので皆様どうぞご無理のなさいませんようお楽しみくださいませ!

写真・文 : 中村風詩人

にっぽん丸美術アカデミー!

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.22

採点本日はスタッフがお贈りする美術イベント。
その名も「にっぽん丸美術アカデミー」です。

水彩画講師のマツモトヨーコ先生を学長にお迎えし、
学生(スタッフ)は、ロイヤルブルーチームとオレンジチームに分かれて
その画才をチーム対抗で争うという企画。

お客様には勝敗を予想し、ご一緒に楽しんで頂きます。
さっそく第一のお題「大仏」の判定や如何に。
まずは、オレンジチームが一歩リードを進めました。

司会進行最終決戦は伝言ゲームのように3人が同じお題について描きます。
「ソシアルダンスをしている男女」という難題に学生は四苦八苦。
あっという間に過ぎてしまう60秒間、最後までお題は伝わるでしょうか。

司会進行を勤めるのは、マジシャンのカズ・カタヤマ。
ストップウォッチとマイクを手に学生を激励します。
ご心配なく、時計にはタネも仕掛けもありません。

結果発表「優勝は、オレンジチーム!」
伝言リレーの得点は2倍、さらに点差を付け圧勝となりました。
オレンジチーム側を応援して頂いたお客様にはカジノプレイ券が配られます。

最後にアカデミー生一同で記念写真。
ところでマツモト学長、実際のところ絵心のほどはいかがでしたのでしょうか!?
将来のにっぽん丸画家が輩出されることを祈りつつ・・・。

写真・文 : 中村風詩人

カズ・カタヤマが贈るテーブルマジック

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.21

テーブルマジック本日のドレスコードはスマートカジュアル。
昔はインフォーマルと呼んでいましたこちら、カジュアルとフォーマルの中間にあたる服装です。
男性はジャケットやブレザーを、女性はスーツやワンピース、時には和装で着飾ります。

アクセサリーでまとめ上げた皆様が、慣れた身のこなしでダイニングにやってきました。
洒落たスタイルにはコース料理でお出迎えを、本日はフレンチのフルコースをご提供です。
メインには、アフリカンテイストを取り入れた、ダチョウのフルーツソースがけ、また魚とデザートまでをお召し上がり頂きます。

皆様の席で実は今夜のディナータイムには、もうひとつ見所があるのです。
タイトルからお分かりの通り、カズ・カタヤマさんのお見せするテーブルマジックです。

一席に5分程度ですが、すべてのお席のお客様にひとつひとつマジックをお見せしてくれます。
コインやカードなど、食卓の雰囲気を盛り上げてくれる華麗なマジック。
皆様この5分間だけはナイフとフォークを動かす手が止まっていました。

船長さんもマジックタイム会食をさせて頂いた船長も、このサービスには大満足のご様子。
「カズさん、ここらへんで種明かしをひとつお願いしますよ。」
そんな難しいリクエストもなんのその。

「お客様、それは別料金となっております!」
テーブルマジックとカズさんのお人柄が、
各地にあがる花火のような笑顔を咲かせてくれました。

写真・文 : 中村風詩人

本日は、仮装ナイト!

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.20

who are you今までにアジアンナイトとオレンジナイトを記事にしたのを
覚えてらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
今宵は3つ目のテーマナイト、「仮装ナイト」です!

夕食前、18時から18時半までの30分間。
2階ロビーがキャラクターや動物、民族衣装で埋まります。
今までの航海中に購入した民族衣装、あるいは昨年、一昨年と
リピート頂いている方の衣装を合わせると、まさしくアラウンドザワールドの装いです。

ブルーマン民族衣装もさることながら、見逃せないのはキャラクターや有名人の仮装。
甲乙つけがたい中、一番人気はやはりブルーマンとマイケルジャクソンでしたしょうか。
夕焼けをバックに無言の二人。実はスタッフの南尚幸くんと横山岳廣くんです。

集合写真お客様がダイニングへと移られて、私たちスタッフは後片付けに入ります。
と、その前にせっかくなので集合写真を一枚撮らせて頂きました。
力の入った仮装ぶりが伝わるのではないでしょうか。

バットマン、海賊、スーパーマン。あるいはカニ、ネズミ、バニー。
写真中央左側のウェスタンハットが番留船長です。皆様おわかりですか。
こうしてまた騒がしくにっぽん丸の一夜が過ぎて参ります。

写真・文 : 中村風詩人

オーバーランドツアー出発!

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.19

ミニチュアバスにっぽん丸世界一周クルーズには、リピーターの方が多くいらっしゃいます。
航海日のイベントや寄港地の自由行動、そして観光ツアーなど
魅力的な催しを楽しみに皆様ご乗船されています。

その中でも特に人気があるのが「オーバーランドツアー」のようです。
ツアーデスクの一覧表を見ていると、横浜を出港した時から、
オーバーランドツアーには申し込みが殺到し、既にキャンセル待ちも少なくありません。

バスへ荷積みオーバーランドツアーとは聞き慣れませんが、皆様おわかりでしょうか。
寄港地から出発し、陸路を観光して、先の寄港地で合流するというツアーのことです。
飛行機で言うとオープンジョーにあたるこの方法、何だか時間を得した気がするツアーですね!

ラスパルマスに入港すると、続々と迎えのバスが到着してきました。
皆様の数日分の荷物を詰めたトランクがバスに乗せられてゆきます。
私も荷積みを手伝いつつ、と、そこを塞がれると出られなくなりますが・・・。

いってらっしゃい「北欧フィヨルド6泊7日ツアー」
「スイス3大名峰と氷河特急乗車6泊7日ツアー」
「スペイン・アンダルシア紀行6泊7日ツアー」

ラスパルマスから次の寄港地ピレウスまでの6日間。
上記3つのオーバーランドツアーをお見送りいたします。
30名様のにっぽん丸ご一行、どうかご安全に。
それでは皆様、「いってらっしゃーい!」

写真・文 : 中村風詩人

第四の寄港地、ラスパルマス入港!

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.19

ヤシの島ケープタウンを出港してから10日、今航最長の航海日が過ぎました。
気づけばあっという間、本日は第四の寄港地ラスパルマスへと入港です。

ラスパルマスは人口約35万人を要するカナリア諸島最大の都市。
7つあるカナリアの島々のうち、グランカナリア島の北東に位置しています。
日本に馴染みは薄いですが、欧州では大西洋のもっとも重要な港町のひとつとして数えられています。

現地の人たちと船「カナリア諸島のハチミツは世界でも有数ですよ」
と、入港前に番留船長から情報を頂いておりました。

島の名産品も葉巻と絹製品、そしてハチミツだとか。
私も街でハチミツ(Canary Honey)とハニーラム酒を購入しました。
肌寒い日には、このハチミツをホットワインに溶かすと美味しいそうです。

停泊の船ところで私、ラスパルマスという名前がどうしても覚えられません。
アスパラガスではないので、グリーンかホワイトかも重要ではなさそうです。
けれども現地に到着し、「Las Palmas」と書かれた看板を見て、ようやく合点がつきました。

辞書を引いてみると、スペイン語で「ヤシの木」という意味だそうです。
Lasが冠詞なので、ヤシの街というのが由来だったのですね。
日本語でもラス・パルマスと書くと覚えやすいと思います。
では名前をしっかり覚えたところで、ラス・パルマス観光に出発したいと思います!

写真・文 : 中村風詩人

西川古柳座 八王子車人形ワークショップ

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.18

お客様に教えている様子車人形は大きく分けて「首(かしら)」と「手」と「足」の3つの箇所から出来ています。
基本的には左手で「人形の首と左手を支える軸」を持って、右手で「人形の右手」を操作します。
足は人形のかかとの部分を足の指で挟みながら動かします、この一連の動作を「ろくろ車」に乗りながら行うのが車人形ということです。

「左手の動かし方が本当に難しい!」
と、実際に操作を体験されたお客様がおっしゃっていました。
車人形さんにお伺いしたところ、人形の左手は「弓手」といい、特殊なバネで操作をするそう。
そのため直接動かすことが出来ず、操作がはじめは難しいということでした。

新内教室後日開かれた二回目のワークショップは「新内浄瑠璃」でした。
新内は、三味線を弾きながら物語を語るというもので、
歴史は古く江戸時代から伝わる三味線音楽です。

ドルフィンホールに集まった皆様には、語りの詞章が配られ、
三味線のリズムに合わせて、口ずさむように歌ってらっしゃいました。
初体験ながらもそのテンポが分かるのは、日本人独特の感性というものなのでしょうか。

お二人ワークショップへ足を運ばれる皆様のお楽しみは、体験ともうひとつ、操作の裏側を見ることが出来ることのようです。
普段のメインショーでは服装が黒子なのはもちろん、照明などの舞台装置でその操作をまじまじと見ることは出来ません。
それがワークショップでは普段の服装のまま、人形を操る姿を見ることが出来るのです。

「これは本当に恥ずかしい。にっぽん丸の上だから出来ることですよ。」とは八王子車人形さんの言。
演者にとっては裸をさらすようなもの、特別なサービスを本当にありがとうございます。
伝統的なものを守りつつも、新しい事に挑戦される姿勢に心意気を感じました!

写真・文 : 中村風詩人

西川古柳座 八王子車人形メインショー

2011年 世界一周クルーズ

2011.05.17

メインショー第一回景事:「東海道中膝栗毛」
第二回景事:「団子売り」「日高川入相花王」

今夜のメインショーは、「新内浄瑠璃と八王子車人形の世界」です!
と、ご説明しながらも、実は私「車人形」という言葉を聞くのは今回が初めてでした。
その名前の通り「ろくろ車」と呼ばれる箱形の車に腰掛けて、人形を操るお芝居とのことです。

何でも江戸時代は3人で人形1体を操る方式が主流だったそうですが、
この車人形は、1人が1体を操る事を可能にした画期的な発明だったとか。
そこに今回の演目では新内浄瑠璃が共演し、リズミカルなメインショーとなりました。

車人形フラメンコメインショーでは”東海道中膝栗毛”などの古典的なものを演じて頂きましたが、
最後のアンコールには、洋劇「フラメンコ」をご披露してくださいました。
スローテンポからラテンのリズムに代わると、会場のお客様たちも席を立たんばかりに高潮気味。

今までとは打って変わったドレッシィな装いで車人形が登場、情熱的なライティングで踊りが始まります。
まるで人形が生きているかのような足さばき、手さばき、顔の動き一つとっても美しさが際立ちます。
踊りきった後の車人形と人形遣いの魅惑的なまなざしは、本当に印象的でした。

メンバー一同メンバー
西川古柳座 西川古柳(車人形遣い)
西川古柳座 西川柳栄(車人形遣い)
鶴賀伊勢次郎(新内節)
鶴賀伊勢好(新内節)

日本各地はもちろん、諸外国での公演も盛んに行っておられます。
にっぽん丸を下船されてからは、国内の新国立劇場公演や
海外の北欧公演など大きな演目が予定されているそうです。

江戸新内の語りと車人形、今回のメインショーでは新しい世界を見せて頂きました。
八王子車人形さん、西川古柳座の皆様、ありがとうございました!

写真・文 : 中村風詩人