かもめ課長のブログ

本当に頑張るべきは、誰か。

日記

2011.03.19

かもめ課長です。

一昨日、かもめ家はついに夜間の計画停電の順番になり、真っ暗でした。ロウソクに火をともし、ラジオを聴きながらの夕食でした。暖房も切れてだんだんと寒くなり、家の中で綿入りジャンパーを着込んで過ごしました。ふとベランダに出て夜空を見あげると、光のない街に、星がとても美しく輝いていました。月が煌々と、夜道を照らしていました。この夜空の先に、もっと大変な思いをして過ごす皆さんが何十万人もいるのかと思うと、複雑な思いが交錯する夜でした。

かもめ家のロウソク。アロマキャンドルです。

  

 

東北から関東までの広い範囲に大きな被害をもたらした震災から一週間が経ちました。全国で支援の輪が広がる中、被災地でたくましく、復興に向けて進む人たちの姿も、多く報道されるようになりました。

 

瓦礫の街、釜石でのある少年の言葉。

『風景は変わってしまったけど、ここは魚もおいしいし、山のものもたくさんある。そして、みんなやさしい。僕はこれからもここで生きていくと思います』

 

ゆっくりと、しっかりと、訥々と話す少年の言葉。もう、何も言えませんね。被災地の皆さんは、こんな極限状態であるにもかかわらず、「ありがとう」「お世話になります」「おかげさまで」という言葉を決して忘れません。どのインタビューにも、必ずこの言葉があります。かもめはこうした言葉の裏側に、恐ろしいほどの「強さ」を感じます。また、避難所では他人を思いやり、給水所では整然と並び辛抱強く順番を待ち、食料配給では弱者を気にかけ、譲り合う。諸外国からは驚嘆の声が聞こえます。

かもめだったら、こんな気持ちになれるだろうか。満員電車で足を踏まれただけでムッとする、人身事故で遅れた電車にイライラする。そんなかもめです。よく「東北の人々は我慢強い」といわれますが、かもめには神様のように見えます。

そんな人たちに、被災しなかった我々が、かもめのような器量の小さな人でもできることは何だろうか、と考えました。

それは、我々がこれまでのように経済活動を活発にして日本経済を支え、いや、これまで以上に拡大化させ、そして被災地の復興をサポートするということです。被災地の惨状や彼らの苦労を目の当たりにすれば、人間ならば誰しもが何となく沈んだ気分になるのは当然ですが、過度にシュリンクして皆が下を向くことがためになるとは思えません。経済活動が停滞してしまっては、何にもなりません。税収が損なわれ、雇用が失われ、路頭に迷う人が出れば、支援もままならず、それこそ日本沈没です。このことは世界経済にも多大な影響を与えます。「G8外相会議、G7蔵相会議が一致団結して日本をサポート」なんて話からも、ことの重大性がわかります。

 

センバツ高校野球が開催されることに、それに東北高校が出場することに異を唱える人がいるそうですが、かもめには理解できません。何年間も甲子園を夢見て厳しい練習に耐えてきた東北高校はじめ、全国の球児たちの努力を無にし、夢を潰してしまうことが、本当に被災者のためになるのでしょうか。悲しい思いやつらい思いをする人をさらに増やすことを、被災された皆さんは望むのでしょうか。 

 

これから本当に頑張らなくてはいけないのは、実は被災しなかった我々なのではないかとさえ思います。

 

にっぽん丸がお世話になった三陸・北関東の、一日も早い復興を心から願っています。

 

かもめでした。