かもめ課長のブログ

瀬戸芸1日目:宇野港から直島へ

国内クルーズ(3泊~5泊)

2016.10.11

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こんにちは、かもめ課長です。

神戸を出港してわずか4時間、にっぽん丸は宇野港に入港しました。乗船から数時間後に入港というのはとても珍しいスケジュールです。しかもその後にすぐフェリーに乗り換えて直島の美術館エリアへとダイレクトアクセス。少し前まで新幹線に乗っていた方もいらっしゃるとは思えないスピード感です。

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宇野港を目の前に船内ではひとつとても興味深いイベントが行われました。今クルーズは「瀬戸内国際芸術祭2016パートナークルーズ」とありました。にっぽん丸は瀬戸芸のパートナー、その瀬戸芸の総合ディレクターを務める北川フラムさんを船上にお招きして直島をはじめ瀬戸芸の見所を公演いただきました。

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フェリーを降りると地中美術館やベネッセミュージアムに近いところまでやってきました。思えばここは現代アートの聖地として世界からも多くの観光客がやってくる場所、フェリー乗り場でふと見た景色は既にどことなくアートシーンのように見えました。

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はじめに訪れたのは、おそらく皆さんが最も楽しみにしていた観光地のひとつ、地中美術館です。安藤忠雄さんが設計し、3名のアーティストの作品が展示されています。そう、多くの来場する方はだいたいこのくらいの情報で訪れていると思います。しかし、今クルーズにご乗船された方は、先程ここに来る直前ににっぽん丸船内で、瀬戸芸総合ディレクターの公演を聞いてから来ています。その時にもちろん地中美術館の話も出ました。今回この美術館に来る前に生の言葉をもって誰よりも皆さんは勉強して作品に触れることができるのです。

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地中美術館へのアプローチを進みながら、北川フラムさんのお話をもう一度思い出しました。「地中美術館は建築では無かった。これは、海と自然を見るための機能だった。瀬戸芸とはある意味で場所に意味を与える、そんな作業です」。

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※地中美術館は撮影が禁止されているため、上写真は芸術祭の別の場所の作品です。

地中美術館は建築ではなく、海と自然を見るための機能。・・・館内でめぐる展示空間は大きく3カ所3名のアーティストに分けられます。クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルです。先程の地中美術館のアプローチは、モネが晩年を過ごしたジヴェルニーを思わせる趣がありました、きっとそこから既に美術館が始まっていたのです。モネの空間は、床や天上、絵のフレームに至るまで全て白で統一され一歩室内に入ると繭玉のような暖かみがありました。人工的なライト一切を排除して自然光だけで作品を見せるのは、睡蓮で有名なオランジェリー美術館でも体験することは出来ない直島だけのものです。ライトよりも暗い自然の光に目が慣れてくると、心地よく包まれるような空間を感じることが出来ました。モネの部屋から奧に進むとジェームズ・タレルの部屋がありました。先程の丸みを帯びた部屋から一点して、今度はエッジの効いた直線で全てが囲われて、その中央の天上にぽっかりと四角い窓が付いています。部屋に入った瞬間、外気でひやっとしたのはこの開け放した天上のためでした。見上げれば雲の動き、耳を澄ませばわずかに風の音が聞こえます。タレルの間から移動していくとデ・マリアの大空間へと辿り着きます。金箔と黒の大理石という実に日本的な素材で囲まれた空間は、どこか寺社仏閣に迷い込んだような清らかな空間に思えました。階段を上るたび驚くほど足音が反響するのを聞くと、存在を音で確かめる空間ではないだろうかと思い始めました。デ・マリアの作品で「見えて/見えず 知って/知れず」というものがありますが、まさにその作品に通じる気配を伝えている空間なのではと感じました。受け取ったものは人それぞれ、それでもその空間の中では日頃から目の前にある光、雲、音といった自然と少し繋がることが出来た気がします。終わってみればたった3つの展示空間でしたが、安藤忠雄さんのシンプルかつ複雑な構造も相まって全体的にピラミッドの中を探検しているような感覚になりました。

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地中美術館が写真撮影できれば文章も短くおさまったのですが・・・。そして地中美術館を後にしたかもめは、次なる目的地ベネッセミュージアムへ。さらには有名な赤南瓜・黄南瓜を訪れて記念写真タイムです!

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あとはフェリーに乗って帰るだけ〜と油断していたら何と港でゆっくりしていたにっぽん丸ツアーご一行の前で海外のアーティストによるパフォーミングが行われました!空気の入った体を自在に操るのはフランス、コートジボワールなど何とも国際的な集団です。まさか香川県の小さな島でこんなパフォーマンスが見られるとは・・・!

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こうしてフェリーで戻ってきたのは高松港。あれ?出発した時ににっぽん丸が停まっていたのは宇野港だったような、そう!なのですが、実は皆さんと直島を観光している間ににっぽん丸は皆様が帰りやすいように高松港に移動していたのです!これでフェリーを降りれば目の前がにっぽん丸です!

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あ、このオプショナルツアー、なんと無料です!しかも定員320名、なんと希望者全員が出席できます。こうして手配したバスは計7台、高松からはるばるフェリーで直島まで来てもらっていました。このお客様にとっては贅沢、スタッフにとってはやりがいのある一大オプショナルツアーでした!スタッフ総勢・・・大勢!のうちの13名がやりきった記念写真を一枚!ちらっと満足そうな笑顔をお見せしますっ!