ぐるりナホトカ13日目:東京下船
2016.05.21
こんにちは、かもめ課長です。
窓の向こうに晴海港が見えて来ました。見慣れた東京の街は少し曇っていました。最高気温は21度、最低気温は14度。先週にいたロシアの最低気温が5度だったことを思うとひとつ季節を飛び越してきてしまった気がします。
着岸までのアプローチを控えてデッキには段々と人が出てきました。デッキクルーも着岸のための準備で船首楼を忙しく動き始めます。
晴海港が間近に近づくと既にデッキは人で埋まっていました。13日間も乗船していると多くの人は船内に「自分のお気に入りの場所」というのを見つけます。ある人にとっては気温が高めのリドテラス、またある人には波音が間近の船首4階デッキ、あるいはスパでゆっくりする人のためのジャグジールーム。
お気に入りの場所は、意識していなかったのについつい長居をしてしまうところだと思います。6階のパズルスペースにある左奧の席かもしれませんし、夕陽を望むネプチューンのバーカウンターの一番右舷側のハイチェアかもしれません。
でもかもめはこっそりとですが多くの人のお気に入りの場所をなんとなく知っている気がします。このくらいの時間にあの場所に行けばあの人がいるかもしれない、そんなことをたまに考えながらこの船内を歩いています。そして、これはきっと多くのサービスクルーが首を縦にふることだと思います。
それは思い返すと、1日目にはもちろん分からなかったことで、13日目だから分かることです。ただ同じ船に乗り合わせたというだけだった人も、同じ夕陽を何度か眺めているうちに、顔見知りになり、隣人になり、ときに話し相手になっていました。
出来る事ならもう少し長く乗っていたい、あと一日でもいいから。そう思いながらかもめも下船の準備をしています。今回皆様にとって最も楽しかった寄港地はどちらでしたでしょうか。あるいは人によっては航海日が一番だったかもしれません。
このぐるりにっぽんウラジオストク・ナホトカ〜スペシャルエンターテイメントクルーズはこれで終わりですが、にっぽん丸はこれからも色々なクルーズで皆様のお帰りを、おおきく扉をあけてお待ちしています。また皆様の洋上のお気に入りの場所に是非戻ってきてください。乗組員一同、「おかえりなさい」と言える日を心待ちにしています。あっと、もちろん今航海に乗船されていない方も是非お気に入りの場所を見つけにいらしてくださいね!それではこの度のご乗船、誠にありがとうございました!