MALTA JAZZ NIGHT
2011.06.08
Performer:MALTA JAZZ QUARTET
MALTA(Sax)
三木成能(Piano)
ジーン重村(Drums)
鳥越啓介(Bass)
この日、船首から見上げた空には薄くヴェールがかかっていました。
雲間からオレンジ色の光が差し込み、海の表面で砕けては溶けていきます。
揺れる波をミラーボールにして、キラキラと瞬く光景は、優美な夜の訪れを感じさせます。
本日のメインショーは、MALTA JAZZ QUARTETがおくる熱いひととき。
MALTAさんは、米国のビッグバンド”ライオネル・ハンプトン楽団”でコンサートマスターも務めた大物。
サポートを任される三木成能さんは、自己のトリオでアルバム”Purple Moon”を発売し、好評を得ています。
ドラムを担当するジーン重村さんは、年に200回の公演をこなす実力者、
ベースの鳥越啓介さんは、国内外のアーティストと共演を数多く重ねて来ました。
開演からほどなくして満たされた会場に、MALTAさんの声が響きます。
「3年前にも、アメリカからプエルトパジャルタまで乗船しました。
そのときマヤ文明の遺跡”セノーナの家”を訪れ、素敵な恋の曲が生まれました。
聞いてください”セノーナ”」
語りかけてくるようなサックス、忍び足で近づいてくるピアノの音、
軽快なステップを踏むドラム、胸に響くベースに身を任せて。
今宵おとずれる音楽のダンスホールで新しい恋が始まります。
スタンダードナンバーとオリジナルを組み合わせながら過ごす60分。
いつの間にか、最後の一曲となり。「僕の、大好きなナンバーです」
こだまするハスキーな声、それは心に響く音楽の始まり。
ロマンティックなメロディは、想像力を掻き立ててきます。
ホールで男性が女性に踊りの手を差し伸べるような紳士的な音色。
メロディに身を任せて揺れる二人、テーブルに残された飲みかけのカクテル。
時間を忘れ、心地よいリズムの世界に皆様を誘う素敵なナンバーでした。
このロマンティックな音楽には、そんな魔法のような力があるのかもしれません。
この時間に酔いしれるために、皆様はまた2回目のメインショーに足を運ぶことでしょう。
MALTA JAZZ QUARTETさん、本日は忘れられないひとときをありがとうございました!
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なお、MALTAさんは、今夏にニューアルバムをリリース予定です。
NEW ALBUM 「MALTA Jazz BIG BAND ~ TOKYO LIVE ~」
リリース予定:2011年7月20日/予価:3,000円(税込み)
日本ジャズ界を代表する精鋭たちが集結した、ビッグバンドの神髄に触れた夜!
ビッグバンドの素晴らしさと楽しさが伝わる魅力的なライヴアルバム。
にっぽん丸帰国の翌週にリリースです、皆様ぜひお手にとってみてください。
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写真・文 : 中村風詩人