幸福の船出。グリーンフラッシュ!
2011.05.12
「グリーンフラッシュを見た年は幸せになれる」
船内で起きたそのざわめきは、瞬く間に乗客全員に広がりました。
インド洋上は、グリーンフラッシュを見れる確率が高いと、
番留船長からの情報もあり、皆様夕日を楽しみにする毎日が続きました。
ついに「今日はグリーンフラッシュが見えそうです」と、
操舵室からアナウンスまで流されると、一斉に皆様がデッキに集まりました。
4階デッキはもちろん。7階のラウンジ前などもギャラリーが埋め尽くしています。
アナウンスが流れたその日、確かにグリーンフラッシュを見ることができました。
ピカッと一瞬、確かに緑色の太陽が水平線に顔を出します。
ところで、グリーンフラッシュって何?という方も大勢いるかと思います。
疑問を持たれている方に代わって、その現象を少し調べてみました。
今回のグリーンフラッシュは、日没時に撮影したものですが、
日の出の際にも見ることができ、別名は「緑閃光」とも言われています。
発生条件が厳しく、空気が澄んでいること、地平線か水平線での日没か日の出であること、
また他の気象条件にも左右されるそうで、やはり見れる確率はそれほど高くないようです。
日本で最も観測が報告されているのは、小笠原諸島の父島とのこと、
世界的にはハワイやグアムなどでの観測例が比較的多いようですが、
それでも高い山や離島、あるいは洋上から観測をしなくてはならず、
見るためには、やはり相当の努力が必要になりそうです。
「写真家さん、どうせパソコンで描いとるんでしょう!」
実は出来心で・・・というのは冗談。本当に描いてませんよ!
「わしが昔に見たのは、もっとこう、大きかったんよ」
調べてみると、場所や環境によって色の濃さ、形が変わるのだそうです。
最も大きく見えるのはロシアの砂漠だとか。
インド洋上で見られるものは、大きさはそれほどでもないものの、
見られる確率は、他の場所に比べてわりと高いとのことです。
毎年のようにクルーズに乗ってらっしゃるお客様いわく、
「100日間で2回見られたら良い方だ」とおっしゃっていました。
今航では、もう既に3回見ているので、幸運な航海かもしれません。
写真・文 : 中村風詩人