かもめ課長のブログ

天使の梯子かヤコブの手

その他クルーズ関連

2013.08.15

ヤコブの手_kaza

こんにちは、かもめ課長です。

大西洋を航行している最中のこと。昼過ぎから厚い雲が立ちこめていて海面はイメージする青よりも黒に近い色合い。こういう日は夕陽を見ることも叶わないので、デッキにでてくる人もまばらです。まもなく夕暮れ近くなってきた時、雲間から光が差し込みました。8方向とも16方向とも思える光の筋、洞窟の底から地上の空を見上げたような、海面のゆらゆらが眩しいほどにその光を返しています。船のデッキから一面の海原にこんな景色が広がったら夢のような瞬間ですね。

ヤコブの手_kaza

「天使の梯子(はしご)!」左の人が言います。「ヤコブの手!」右の人が言いました。じぇじぇ、かもめはこの光の呼び名を知りません。調べてみるとユダヤの『創世記』第28章にでてくる物語が由来になっているようです。ストーリーを簡単に言うと・・・無実の恨みを買ってしまったヤコブさんは三日三晩ひたすら逃げて、歩き続けていました。疲れ果てて石の上で眠ったところ不思議な夢を見ます。空から伸びる光の梯子を天使が行ったり来たり、その中の一人の天使に「ここに住んだら良いよ、君を守ってあげるから」と言われたそう。救われるきっかけにもなったその石は、今も「神の家」と呼ばれて残っているそうです。ということは「天使の梯子」とも「ヤコブの手」とも言うようですね。

ヤコブの手_kaza

現象はもう解明されていて「薄明光線」と呼ばれています。「一年中通して見られるが秋から冬にかけての朝方か夕方が最も多く、空気が澄んでいるところで雲に切れ目が出来ること」が条件だそうです。かもめに言わせれば「一年中通して乗船すると良いが、秋から冬もおすすめ!」といった具合?!空気の澄んだ北海道クルーズなど時期も近くお薦めです!また宣伝?いえいえ。ところで、宮沢賢治さんはこの光線を「光のパイプオルガン」といったそうです。やはり同じものも人によって捉え方が違いますね。